「2020年からセンター試験を廃止し、”大学入学共通テスト”を導入」大学受験を目前に控えている高校生の中では話題となっています。
そんな中で2019年11月1日には「大学入学共通テストに導入される英語民間試験の実施を延期する」という発表が文科省からありました。
今回はそんな”大学入学共通テスト・英語民間試験”に関して以下の5つに注目して解説していきます。
・”センター試験”と”大学入学共通テスト”は何が違うの?
・センター試験が廃止になる理由とは?
・対象となる英語の民間試験は?
・結局、何が継続で何が延期なの?
・受験生が取るべき今後の対策は?
「センター試験」と「共通テスト」の違い(英語科目)
(旧)センター試験 | (新)共通テスト | |
テスト内容(点数配分) | ・筆記(200点) ・リスニング(50点) 全問2回読み | ・リーディング(100点) 発音、アクセントなどを問う問題が出題されなくなる ・リスニング(100点) 問題により読み上げ回数が異なる(1回または2回) |
試験時間 | 80分間 | 100分間 |
その他 | ※民間試験のスコアが加点される場合もある |
テスト内容の違いは?
”センター試験”と”共通テスト”のテスト内容はそこまで大きくは変わらないと言われています。
というのも、点数配分や試験時間は変わりますが、小学校〜高校で学ぶ英語教科の内容自体は変わりありません。大学入試で出題される問題は全て高校までに学んできた学習内容から構成されます。
大きな違いは何?
大きな違いは、”英語民間試験を受験する必要がある”という点です。
代表的な英語民間試験といえば、TOEIC、IELTS、英検などが挙げられます。民間試験で有名なTOEICは対象外となっていますが、定められた英語民間試験(後ほど詳しく説明)を期間内(受験年度の4月〜12月中)に2回受ける必要があります。
この期間中に受験した民間試験のスコアは”データとして管理”されるようになり、大学受験時には各大学にスコアデータが送信され、合否判定の参考資料となる場合があります。
※民間試験のスコアが反映されるか否かは、大学が決めることができ、「出願条件の一つ」、「合否には関係ない」など使用のされ方は様々
センター試験が廃止になる理由は?
センター試験の英語テスト科目は”筆記(読む力)”と”リスニング(聞く力)”を測るものでした。しかし、これに”スピーキング(話す力)”と”ライティング(書く力)”も測ろうという取り組みです。
日本人であれば皆さんが知っていると思いますが、現状では英語を話すことのできる日本人はとても少ないです。どれだけTOEICの点数が高くても、不意に英語を話しかけられると固まってしまう人も多くいます。
そういった事態を少しでも改善する必要がある、ということで”話す力と書く力”を評価の項目に入れることによって実戦で使用できる英語を身に付けることができるのではないか、という意図があります。
対象となる英語民間試験は?
対象となる英語民間試験
現時点(2019/11/1)での対象となる英語民間試験は以下の7種類あります。
検定試験名 | ホームページ(試験日確認用) |
ケンブリッジ英語検定 | ケンブリッジ大学英語検定機構 |
(新形式)英検 | 日本英語検定協会 |
GTEC | ベネッセコーポレーション |
TEAP | 日本英語検定協会 |
TEAP CBT | 日本英語検定協会 |
TOEFL iBTテスト | Educational Testing Service |
IELTS Academic(ブリティッシュ・カウンシルまたはIDP) | ブリティッシュ/IDP |
※英検には従来型と新型(2020 2 days S-Interview/2020 1 day S-CBT)があり、従来型は対象外
※IELTSには色々な種類がありますが、Academic(アカデミック)のみが対象となっているので注意
TOEICは対象外
英語民間試験の中ではTOEICが一番有名ですが、大学入学共通テストの対象民間試験には入っておりません。
2018/3時点では、文部科学省の発表によりTOEICも認定されていましたが、2019/11現在では除外されています。
TOEICは”L(リスニング)&R(リーディング)”と”S(スピーキング)&W(ライティング)”の二つの試験を受ける必要があります。これら二つは実施日、申請日、試験会場が違うなどの理由から大学試験の使用には適していないことから除外されました。
どうやって英語能力を判断する?
対象の民間試験が7種類あるということで、当然各試験の内容や点数が同じ訳ではありません。
テスト内容はビジネス、日常会話など様々で、採点や評価に関しても点数配分や点数設定などが同じ訳ではありませ。
そんな中でどうやって受験生の英語能力を判断するのでしょうか?
そこでCEFR(Common European Framework of Reference、ヨーロッパ言語共通参照枠)という世界基準が用いられます。
当然、民間試験にはそれぞれ点数(IELTS=1.0〜9.0、TOELF=0〜120)がありますが、CEFRを用いることで、これらを全て同じ単位に置き換えることができます。
⬇︎各対象試験のCEFR対照表⬇︎
3回以上受けるとどうなる?
4〜12月の期間中に民間試験を受けることによって、2回までのスコアがデータに反映されます。
試験を3度、4度と受けることは可能ですが、資料として使用されるスコアデータは1回目と2回目になります。3回目以降のスコアは残りません。当然、良いスコアを選ぶこともできないので、1回目と2回目は気を抜かずに真剣に取り組む必要があります。
※1回目と2回目で異なる試験を受けることは可能
共通テストは継続・英語民間試験は延期
「センター試験」と「共通テスト」の違いについては理解して頂けたと思いますが、2019年11月1日時点での文科省の発表によると、
来年度(令和2年)からはセンター試験を廃止し、「共通テスト」を導入する。しかし、英語民間試験の導入については延期する。
という発表でした。
要するに、
来年から英語の民間試験を受験する必要はなくなりました。
しかし、”共通テスト”は来年度から導入されるということで、テスト内容・問題数・解答時間が変更されます。
いつから英語の民間試験も導入されるの?
文科省の発表によると、
”5年後である令和6年の実施に向けて、試験の仕組みや問題点の改善に取り組む”
とのことでした。
5年後とは発表していましたが、問題点や批判が多いことから完全に廃止される可能性もあります。
令和5年までは試験の仕組みを根本的に見直すと言っているので、少なくともここ2,3年は英語民間試験のことを気にする必要はありませんが、それ以降に受験を控えている方は徐々に”話す力”や”書く力”を身に付けるための対策を取っていくべきでしょう。
共通テストが廃止される可能性も!?
来年度(令和2年)からは「センター試験を廃止して共通テスト」へ移行し、5年後(令和6年)には「共通テスト+英語の民間試験」に移行し、その後は「共通テストを廃止し、英語の民間試験のみ」になる話も出ています。
近い将来、「聞く力、読む力、話す力、書く力」を測ることのできる英語民間試験に英語科目の評価は全て頼られるようになっていく可能性も十分にあります。
こういった情報に関しては今後1年以内に結論を下すと萩生田文部科学大臣は述べていました。
受験生が取るべき今後の行動とは?
アンテナを張る
受験生が今後取るべき行動は、受験勉強で忙しい日々だとは思いますが、常にアンテナを張り、最新の情報を得ることです。
今回は文部科学省が”来年からセンター試験を廃止して共通テストを導入する”と突然発表しました。本気で行きたい大学がある受験生であれば1年も2年も前から受験の準備をする訳で、1年前にいきなり言われても混乱してしまいます。
いつそういった発表があるのか分からないので、常にアンテナを張っておく必要がありそうです。
英語民間試験の対策も取り入れる
今後はいつ”英語の民間試験”が導入されるのか分からない状態となっています。5年後とは発表されていますが、確定ではありません。
令和5年以降に大学受験を迎える方は徐々に徐々に”英語民間試験”の対策を行なっていく必要があるでしょう。
特にスピーキングは直ぐに身に付くものではないので、夏休みや冬休みに海外留学にいくことを親御さんに提案してみたり、オンラインでスピーキングの授業を格安で受けることができます。
受験生は英語単語や英文法の基礎が十分にあるために、外国人と英語を使用して会話することによって話す力は直ぐに身に付けることができたりします。
まとめ
・問題数、点数配分、試験時間
・民間試験のスコアが反映される(延期になった)
・ケンブリッジ英語検定
・英検(新形式)
・GTEC
・TEAP
・TEAP CBT
・TOEFL iBTテスト
・IELTS Academic(ブリティッシュ・カウンシルまたはIDP)
・センター試験を廃止し、共通テストを導入
・英語民間試験の導入は延期
・常にアンテナを張り、最新情報を得る
・英語民間試験の対策も徐々に取り入れる(特に令和5年以降に大学受験を迎える方)
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